1月17日BL歌会レポートまとめ

1月17日の夜にスカイプのグループチャットにてBL歌会を開催しました。 BL短歌・BL俳句のイベントは東京や大阪の方では何度か行われているのですが、 地方在住の身には参加が難しくいつも残念に思っておりましたので、 こうしてネットのツールを利用しての歌…

「性別越境アンソロジー」進行状況1

「性別越境アンソロジー」企画・募集要項 - 巣ごもりの日々 募集要項は上のリンクから・雑誌サイズはB5に決定しました。 ・「芸能」は難しいということで「演じる」くらいにふわっとしたもので大丈夫です。 ・漫画のページ数は8pから16pに増やします。 ・100…

「性別越境アンソロジー」企画・募集要項

・はじめに 性別を越える人々について書かれた、小説、エッセイ、論文、イラスト(イラストエッセイ)、漫画等の作品。また、既存の作品について書かれたレビューを募集しております。 テーマは「芸能」ですが、場合によっては特集として、芸能を含まないも…

掌編1

私はかならず戻つて来るから犬よ 待つてゐなさい、穴でも掘つてゐなさい/松平修文あれは、事故だった。あなたがいたずらに飛びついてきたのに、私は気付かないふりで身をそらした。いつものスキンシップのはずだった。私たちはまだ新たに越してきた家に慣れ…

寄稿について

・ウ-37、BL短歌誌「共有結晶」に連作短歌十首と掌編小説一本を載せていただいております。短歌は祝祭をテーマにしたもの、小説は「白鳥は哀しからずや空の青海のあをにも染まずただよふ」から想像を膨らましたものです。・C-51、カラマーゾフの犬で発行され…

文学フリマに出店します

ぎりぎりになってしまって申し訳ありません。本日開催される文学フリマで、BL短歌自薦歌集を販売します。 以下のように連作として再編して、小説を書き下ろした一冊です。新書版/本文58p/200円。スペースはC-51でお待ちしております。*** カウンターボー…

BL短歌(〜600)

0551.過ぎ去りし少年時代をとりかこむ風、の名前も言へてしまへり0552.明礬のかをるスカーフたたみをり翳りゆくかなEnfance finie0553.生涯をささげる恋と定めしか十五のわれに咲くおきなぐさ0554.君は首なしの椿を挿すように愛するひとにさわるのだろう0555…

BL短歌(〜550)

0501.幸福の死骸を敷いてきょうだいは桜の枝で肩を寄せあう0502.その生をゆるそうという意を込めてあいしているよさあいきなさい0503.もういないひとの血肉をたべている書庫のアルミの梯子の上で0504.十枚の貸出カードを辿りきるまではあなたは失われない050…

BL短歌(〜500)

0451.屑石をたましいぶくろに詰め込めば傷つかないと信じてた日々0452.あんなにも溶けあっていたぼくなのに君の言葉がもう響かない0453.世界でも君でも(世界は君だけど)あいしているんだ性欲でなく0454.壇上で兄はうっとり目を閉じて裂かれることを待つし…

BL短歌(〜450)

0401.道徳と宗教が得意 あの夏の少年にはもう戻れないまま0402.先輩 信じてもいないなら十字架を外してください0403.白鳥が鐘楼をつく リボンタイほどいて風にまかせて死地へ0404.この寮の幽霊として永遠に君を恋いたし まひるのひかり0405.さよならを言うに…

BL短歌(〜400)

0351.杯にホットチョコレートを注ぎ「これが私の血」と言えよ、ほら0352.戒律に背けば天はいと高くいっそ列聖せらるるほどに0353.神様に選ばれないと嘆くその挫折が君を美しくする0354.祭壇の供儀の血肉を与えられ天秤かける生と恍惚0355.寵愛を受ける苦痛を…

BL短歌(〜350)

0301.左目を失明させたおれのことお前は憎むべきだったのだ0302.ふらふらと境界線上ぼく・わたくし・おれ・誰かにはなれない、なれない0303.背中には黒子が四つあるんだねもう神様の国へは行けない0304.残虐を得るときヨブの名を呼べり父よエリエリレマサバ…

BL短歌(〜300)

0251.鮮烈な絶望のまま死なないか 磨耗するより似付かわしかろう 0252.「この水を飲んだら死ぬ」とうそぶいた公園の蛇口きらめく夕暮れ 0253.面白いことないかなと言いながら雪冷えの手を暖めている 0254.床に散るネクタイブレザー拾い上げばかだな君は皺に…

BL短歌(〜250)

0201.友よりも強き男であるためにかかげた拳がお前をえぐる 0202.垣根の上を歩みたがる君といて紅葉小春日和を燃やせ 0203.この身体で煽れる炎は妬心だけ焼き尽くすなら骨も遺すな 0204.押し入れの柱に指を這わせれば旱の夏の義兄がほほえむ 0205.あなたたち…

BL短歌(〜200)

0151.ストーブの衛星のその衛星の公転ばかり教室の自我 0152.階段を三段飛ばしに駆け下りる少年の日の魔法はありや 0153.祝祭の夜には山査子からめつつ南十字の先にいこうね 0154.せめてせめてさそりの炎に灼かれたら君の涙の一滴をくれ 0155.深呼吸いちにの…

BL短歌(〜150)

0101.草原のみどりを掬いとる頬の呼吸の上下をひとごとに描く 0102.犬のよに躾けたじゃない欲情は昼下がりの脱衣場でしょ? 0103.懺悔室のカーテン越しの乳香の、……不実も不義もわれらは赦す 0104.調律はCDEFGAH カストラートの肋骨を弾く 0105.葛藤に悪魔の…

BL短歌(〜100)

0051.嘘だけが煌びやかな君の部屋で信じる理由を探すしかない 0052.無意識に張り巡らした鉄条網 それでも手を取る 生きようとする 0053.絶望もまばゆさを増す十五の日兄は柘榴を喰うことにした 0054.孵卵器の温度表示に双頭の蛇の影見ゆ君憎む日々 0055.錯乱…

BL短歌(〜50)

0001.慈しみも愛も他人に向けていい 負の感情はすべて僕のもの 0002.実にならぬ想いを針に内腿へ比翼連理の夢を描くよ 0003.放課まで醒めぬ眠りに見えたから肩に跡をつけた。……秘密だ。 0004.蟷螂と共に死にゆく虫のよにおまへの腹を食い荒らしたい 0005.冷…

無題

どうしてこんなに眠いのか、と思うくらいにこんこんと眠る。こうして眠り続けているうちに何かとりかえしのつかないことになるのではないか。それでも眠る。眠り続ける。夢を見る。夢のなかでわたしは、過去や現在や未来の、人間だったりそうじゃなかったり…