2013-06-01から1ヶ月間の記事一覧

BL短歌(〜550)

0501.幸福の死骸を敷いてきょうだいは桜の枝で肩を寄せあう0502.その生をゆるそうという意を込めてあいしているよさあいきなさい0503.もういないひとの血肉をたべている書庫のアルミの梯子の上で0504.十枚の貸出カードを辿りきるまではあなたは失われない050…

BL短歌(〜500)

0451.屑石をたましいぶくろに詰め込めば傷つかないと信じてた日々0452.あんなにも溶けあっていたぼくなのに君の言葉がもう響かない0453.世界でも君でも(世界は君だけど)あいしているんだ性欲でなく0454.壇上で兄はうっとり目を閉じて裂かれることを待つし…

BL短歌(〜450)

0401.道徳と宗教が得意 あの夏の少年にはもう戻れないまま0402.先輩 信じてもいないなら十字架を外してください0403.白鳥が鐘楼をつく リボンタイほどいて風にまかせて死地へ0404.この寮の幽霊として永遠に君を恋いたし まひるのひかり0405.さよならを言うに…

BL短歌(〜400)

0351.杯にホットチョコレートを注ぎ「これが私の血」と言えよ、ほら0352.戒律に背けば天はいと高くいっそ列聖せらるるほどに0353.神様に選ばれないと嘆くその挫折が君を美しくする0354.祭壇の供儀の血肉を与えられ天秤かける生と恍惚0355.寵愛を受ける苦痛を…

BL短歌(〜350)

0301.左目を失明させたおれのことお前は憎むべきだったのだ0302.ふらふらと境界線上ぼく・わたくし・おれ・誰かにはなれない、なれない0303.背中には黒子が四つあるんだねもう神様の国へは行けない0304.残虐を得るときヨブの名を呼べり父よエリエリレマサバ…

BL短歌(〜300)

0251.鮮烈な絶望のまま死なないか 磨耗するより似付かわしかろう 0252.「この水を飲んだら死ぬ」とうそぶいた公園の蛇口きらめく夕暮れ 0253.面白いことないかなと言いながら雪冷えの手を暖めている 0254.床に散るネクタイブレザー拾い上げばかだな君は皺に…

BL短歌(〜250)

0201.友よりも強き男であるためにかかげた拳がお前をえぐる 0202.垣根の上を歩みたがる君といて紅葉小春日和を燃やせ 0203.この身体で煽れる炎は妬心だけ焼き尽くすなら骨も遺すな 0204.押し入れの柱に指を這わせれば旱の夏の義兄がほほえむ 0205.あなたたち…

BL短歌(〜200)

0151.ストーブの衛星のその衛星の公転ばかり教室の自我 0152.階段を三段飛ばしに駆け下りる少年の日の魔法はありや 0153.祝祭の夜には山査子からめつつ南十字の先にいこうね 0154.せめてせめてさそりの炎に灼かれたら君の涙の一滴をくれ 0155.深呼吸いちにの…

BL短歌(〜150)

0101.草原のみどりを掬いとる頬の呼吸の上下をひとごとに描く 0102.犬のよに躾けたじゃない欲情は昼下がりの脱衣場でしょ? 0103.懺悔室のカーテン越しの乳香の、……不実も不義もわれらは赦す 0104.調律はCDEFGAH カストラートの肋骨を弾く 0105.葛藤に悪魔の…

BL短歌(〜100)

0051.嘘だけが煌びやかな君の部屋で信じる理由を探すしかない 0052.無意識に張り巡らした鉄条網 それでも手を取る 生きようとする 0053.絶望もまばゆさを増す十五の日兄は柘榴を喰うことにした 0054.孵卵器の温度表示に双頭の蛇の影見ゆ君憎む日々 0055.錯乱…

BL短歌(〜50)

0001.慈しみも愛も他人に向けていい 負の感情はすべて僕のもの 0002.実にならぬ想いを針に内腿へ比翼連理の夢を描くよ 0003.放課まで醒めぬ眠りに見えたから肩に跡をつけた。……秘密だ。 0004.蟷螂と共に死にゆく虫のよにおまへの腹を食い荒らしたい 0005.冷…

無題

どうしてこんなに眠いのか、と思うくらいにこんこんと眠る。こうして眠り続けているうちに何かとりかえしのつかないことになるのではないか。それでも眠る。眠り続ける。夢を見る。夢のなかでわたしは、過去や現在や未来の、人間だったりそうじゃなかったり…